【外断熱】 ※ⅾ
最近少なくなってきましたがまだ見かけるので書きます。
工務店さんのHPの中でたまに『外断熱はダメ』みたいなことを書いている会社があります。
理由としては、
『壁厚が厚くなるから耐震性に不安がある』
『壁厚が厚くなるから自由度が下がる』
『壁厚が厚くなるから建物の配置に制限がある』
という理由があると考えているようです。
おそらく外断熱に対してこんな批判が多いのは先進国の中では日本だけのような気がします。
さすが住宅後進国ですね。
日本の住宅の省エネ性能(断熱、気密)に関しては先進国の中では断トツに低く、なんの建築基準も義務化されていないのが現状です。
日本ではようやく2025年に緩い基準が義務化される程度の話。
他の先進国は、住宅からのCO2排出量が多いことを考え早々に義務化がされています。
あと寒い家は健康被害が出るということも分かっています。
日本で建築されている住宅の大半は住宅先進国と言われる国で建てると違法建築になってしまいます。
そんな圧倒的住宅後進国である日本で普及していない外断熱の工法は世界の先進国では相当なシェアを誇っています。
日本のほとんどの住宅が内断熱のみの充填断熱工法になっていますが、日本よりも住宅が進んでいる国ではあまり使われていません。
この事実を並べるだけでも、断熱の工法は外断熱が良いことがわかります。
具体的な理由は『熱橋』が無くなることが外断熱の良いところです。
『熱橋』もしくは『ヒートブリッジ』で画像検索してみて下さい。
解説の画像がたくさん出てきます。
これを見れば世界が外断熱になっている理由が一目瞭然です。
断熱材というのは『熱伝導率の低さ』と『厚み』が大事で、簡単に書くと熱が伝わりにくい材料を分厚くすればするほど断熱効果が上がります。
たまに遮熱シートのことを外断熱と書いているフランチャイズをしている会社を見かけますが、
そもそも遮熱シートはペラペラで『厚み』は全然無いので夏に一部の測定結果だけを切り取るような実験をすれば
極々小さな『遮熱』効果は見せられるとしても、冬の『断熱』には効果がありません。
効果があるように見せる実験のやり方はいろいろありますので。
断熱じゃ無いのに外断熱と言ってはいけないですね。
弊社では内断熱と外断熱を両方施工するW断熱工法を採用しています。
外側の断熱もきちんと厚みを持たせたものを採用しており、きちんとした外断熱です。
日本では批判されがちな外断熱工法ですが、世界の他の先進国で見ると至って標準的な工法です。
住宅後進国で批判されるものと住宅先進国で評価されるものが同じものというのは残念なことですね。
日本の住宅も早く世界の先進国に追いつけば良いなと思います。
住宅先進国のドイツとは住宅性能に30年の開きがあるようなので追いつくのは大変ですが。
このブログを読んでくださっている方々は後悔のない住宅を手に入れていただきたいので断熱の選択は慎重になさってください。
土永