【設計はアート?】 ※ⅾ
先日、業者さんにこんな話を聞きました。
「この前、出会った建築士がこんなことを言っていたんです。」
とのこと。
「調子が良ければ、めちゃくちゃ良いプランが天から降ってくる!!」
私は直接そんな感じの人とはお会いしたことが無いので、実在するのか分かりません。
ですが、こんな人がいる話は結構聞くことが多いので意外と多いのかも。
音楽の世界ではありそうな気もします。
曲が天から降ってくるってフレーズは昔の音楽番組で聞いたことがあるような。
普通の工務店の設計士さんなのに、中々のアーティスト感出していますね。
一部本当にとんでもない建築をしている世界的に有名な建築家達は本当にそうかもしれません。
ですがほとんどの住宅の建築会社で働く人たちは『普通の人』です。
そんな特別な人はそうそういません。
そんな天からアイデアが降ってこない特別ではない普通の私は、
出来る限り理屈に沿った形でプランニングをすることを心がけています。
だって、
太陽は東から昇り西に沈むし、
方角も分かっているし、
土地は固定されているし、
季節によって変わる太陽高度も一定だし、
道路が土地のどちらに接続しているかも明確だし、
隣地の条件も分かっている。
これだけのプランニングに必要な材料が決まっているんだから、
その条件に合った形でプランニングをするようにすればいいです。
その敷地にとって、効率が良い形があります。
条件が固定されているのでメチャクチャは悩む必要がないというか、
悩む要素は少ないです。
大事な部分は決まっているので、そこを基準にして考えます。
普通の私に大事なことは理論に基づいて家をプランニングしていくことです。
私にはアーティスティックに天からプランが舞い降りてきません。
これは持論ですが、住宅をアートにしてはいけないように思います。
だってお客様が一生住んでいく家ですから。
根拠のない勘や好みで家をプランニングしてはいけないのです。
だってそこには根拠がないから。
天から降ってくるとか、もう根拠も何もない。ただの思い付き。
様々な敷地条件を検討して理論的に最善を提案することがお客様の為になると思います。
性能・性質はどうでもいいからとにかくカッコいい家!と言う人は別ですが、
そうではなく、『暖かくて涼しくて光熱費が安い家』がいいって人は、
プランニングに気を付けてください。
土永