【工務店選びに大事なこと】 ※ⅾ
工務店とはどんな業態なのか、意外と分からない方もいらっしゃると思います。
私が思う工務店というものを簡単に書いてみます。
ちなみに弊社、リビング建築工房は工務店になります。
工務店というのは、工事の請負業者です。
よく元受け業者と言われます。
お家を建てるお客様と直接工事のご契約をさせていただく会社ですね。
そしてそこから複数の施工業者さんにお仕事の依頼をして、工事全体の管理をします。
これが工務店と呼ばれる業態なのですが、
最近はここに設計業務も加わっている会社さんがほとんどな気がします。
新築住宅の工務店で本当に施工だけをしているという会社さんは少ないかなと。
ちなみに弊社のキイタナベスタジオは設計業務と施工業務が分かれています。
有名な設計士が設計をしたものを弊社が施工するといった感じです。
お客様がイメージしている工務店というのは、設計も一緒にやっている会社だと思います。
だから提案されたプランや設計図面で工務店の優劣をつけたりする話もよく聞きます。
ですが、本来の工務店というのは施工が本職です。
断熱材、換気システム、プラン、間取り、動線、自然素材…
色んな会社さんのウリを上げればキリが無いですが、上記にあるものは全て「設計」の分野の話です。
弊社が取り組んでいるパッシブというものも設計手法の話になります。
本来の工務店の業務は施工がメインと言いました。
ですが、最近の新築住宅の工務店の仕事は、
設計、施工、アフターサービスの三つです。
施工だけではなく、設計やアフターサービスも含まれています。
この三つのサービスをご提供するのが最近の工務店という業態の仕事内容です。
三つある要素の全てのことが高いクオリティで行われている事が良い工務店の目安になると思います。
ですが、今の新築住宅の業界を見ていると『なんか違う気がするな』と感じることが多くあります。
先ほども書きましたが、ほとんどの会社さんで自社の良いトコロ、ウリとして挙げているものは設計の話ばかりです。
断熱材、換気システム、プラン、間取り、動線、自然素材、耐震性、デザイン、他にも色々と…
まだまだありますが、これは全部『設計』の話です。
工務店なのに設計事務所かと思うほど設計のことを売りにしています。
勿論、設計も良い方がいいですがそればかりを売りにしている会社さんを見ていると、
『施工はどうなんだろう?』
と思ってしまいます。
いくら設計が良くても、その設計図面通りに、法律通りに正確な施工が出来ていないと良い家にはなりません。
お引き渡し後もきちんとしたアフターサービスが無いと安心して住めません。
設計やアフターについては手厚い会社さんが増えてきていますが、
本質の施工がしっかりしている会社さんが少ないです。
施工に対しての根拠が無いことが多い。
住まれているお施主様には分からないような、小さな違法が多々含まれる住宅が沢山建っています。
例えば、『鉄筋の多重結束』です。
どんなものかはネットで調べてみて下さい。
直ぐに出てきます。
直ぐに出てくる情報なのに、
これ一つだけでも知らない工務店さんがいて、直さないままコンクリートを打設しています。
しかも、コンクリートを打設してしまえば見えないので施主様も知らないまま住んでいます。
こんな家は、設計上は地震に強いけど、施工時の鉄筋の多重結束で基礎の強度が設計より弱くなっています。
今、書いたようなことが基礎に限らず、すべての部分の施工で起こっているのが日本の建築業界の現状です。
施工が悪く、隙間だらけの家になっていたり、断熱の施工が間違っていて効果が出ていなかったり。
数えきれないくらい施工に問題がある工務店は存在します。
どうしても家づくりの時は、設計の話に重きを置いてしまう方が多いのですが、
施工にもしっかりと目を向けてもらえたら嬉しいです。
一番いいのはしっかりとホームインスペクションや第三者検査を活用することです。
きちんとした検査会社に依頼する、または有資格者に依頼するなどをしてください。
第三者というのが重要です。
それを嫌がる工務店さんはそもそも施工がヤバいと思います。
施工に自信が無い会社は色んな言葉で断ってくると思いますが、断るってことは内心ヒヤヒヤしています。
施工に自信があれば『ぜひ入れましょう!』と言ってくれるハズです。
そんな会社さんと家づくりをしてください。
ちなみに弊社は、住宅検査業界大手の会社に依頼をして全邸第三者検査を採用しています。
工務店というのは施工が大事なので、施工にも目を向けて会社選びをしていただければと思います。
読んでいただきありがとうございました。
土永