見落としがちな換気扇
今回のコラムは、換気扇(24時間換気)の掃除の大切さについて記事を書いていきます。
新築の住宅を建てた後のお掃除ポイントに必ず入れていただきたい大切な内容です。
少し長いですが、ご一読いただければ幸いです。
さて、2019年の締めくくりに大掃除をされた方が多いかと思います。
『換気扇の掃除をして~』
と言われると、家の中のどの換気扇を思い浮かべますか?
・キッチン
・トイレ
・脱衣室
・浴室
と、こんなどころでしょうか。
新築住宅では、上記以外にもお掃除をしてほしい箇所があります!
それは、24時間換気システムの
『給気口』と『排気口』です。
24時間換気は建築基準法で定められており、
住宅全体の換気計画を立て、認可が下りないと建築できません。
2003年の建築基準法改正によって
すべての住宅に24時間換気システムを導入することが義務化されました。
シックハウス症候群だけでなく、
昔に比べて高断熱・高気密になった住宅は空気の通り道が少ないため
室内の空気が自然と入れ替わることが難しくなっています。
汚れた空気や湿気を多く含んだ空気が室内に滞留すると
・結露が発生しやすくなる
・カビが生えやすくなる
・健康を損ねる原因になる
など、建物にも身体にも良いことはありません。
健康に暮らすことと、建物を良い状態に保つためにも
昨今の住宅に24時間換気は必要不可欠です。
そんな24時間換気にはいくつか種類があります。
第1種換気・・・給気口と排気口の両方に換気扇を設置して強制的に換気する方法です。
第2種換気・・・給気口だけに換気扇を設置し、排気口には換気扇を設置しない換気方法です。
第3種換気・・・給気口には換気扇を設置せず、排気口にのみ換気扇を設置する方法です。
住宅でよく使われているのが第1種換気と第3種換気です。
換気というくらいですから、どの換気システムにも
『給気口』 空気を取り込む場所
『排気口』 空気を逃がす場所
があります。
給気口は外の空気を取り込む場所になるのですが、
虫やゴミ、花粉などが極力家の中に入らないようフィルターがついています。
排気口は室内の汚れた空気を逃がす場所になります。
こちらは機械によってフィルターがあるタイプ、ないタイプと両方あります。
ここでお掃除のことを思い出してください。
・キッチン
・トイレ
・脱衣室
・浴室
上記以外に汚れた空気が出入りする場所はどこでしょうか?
そう、
『給気口』と『排気口』です。
外気から虫やゴミが入らないようにしていたフィルターはどうなっているでしょうか?
家の中で汚れた空気が出る換気扇にはどうなっているでしょうか?
「汚れた空気が室内を通っている」ということは、
当然、両方の出入り口に汚れが付着しています。
「見て見ぬふり」をしてしまいがちなこの場所。
汚れを掃除しないと、建物や身体にどのような影響が出るのか想像がつくと思います。
2年ほど前、大阪で開催されたとあるセミナーに参加し
高知工科大学 准教授 田島昌樹氏の話を聞くことができました。
私は高卒なので、大学准教授の話を聞くのは人生で初めてでしたが
とても興味深い研究内容でした。
田島准教授は、高知大学の学生とともに換気システムの研究をされている方で
24時間換気の基準を作ったといっても過言ではない方です。
セミナー内容を端的に申し上げると
・換気システムのメンテナンス(掃除)によって、換気設備の性能が変わる
・新築住宅に入居後、1年間半換気システムの掃除を行わないと風量が50%劣る
というものでした。
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せっかく導入している換気システムがほとんど意味を成さず
電気代だけが無駄に掛かっている状態だったのです。
セミナーを受けてから2年たちましたが、
私の実生活では換気扇の掃除に気合を入れていません。
なぜなら
いまの住まいが築38年の隙間だらけの住宅だからです。
換気扇を動かさずとも、扉や窓からの隙間風で勝手に換気されています(泣)
自宅ではメンテナンスする機会はないですが、
弊社事務所の換気扇の掃除を、昨年末の大掃除で行いました!
3年半前に秋津に事務所が移転してから、
給気口と排気口は一度も掃除したことがありませんでした。
いざ、カバーを開けてみると・・・
こちらはトイレの排気口です。埃がびっしり!!
その他、事務所やお客様トイレのファンやカバーにも
埃や汚れがたくさん付着していました。
正直、触るのが嫌でしが、お掃除頑張りました!
埃まみれのファンがここまできれいになりました!!
田島教授のセミナーを聞いたからこそ、
給気口と排気口の掃除に着手することができました。
今の時代の住宅に、24時間換気は切っても切り離せない大切なシステムです。
大切な家族の健康と、大切な建物を守るため
24時間換気と上手に付き合っていくことで
気持ちよく暮らしていくことができます。
みなさま今一度、ご自宅の給気口と排気口をチェックしてみてください。
記:営業 十河